INDEX 2000 TIBET  チベットの旅

 こんなにも荒涼とした山の中に、そしてこんなにも高いところに、はたしてチベットの都ラサは忽然と存在していた。チベット民族によって仏教を中心に築かれた隔絶された文明が、高い山々を隔てて存在する。しかし今、その文明も大きく変貌しようとしている。 
 1999年暮れより年明けの約10日間、ラサを中心に滞在した。今なお受け継がれ守られている崇高な精神文化と、極限の環境とも言えるこの高地にさえ巨大化し増殖しつつある現代文化とのギャップをまざまざと感じた。
 かたくなに仏教を信じ、その教えに基づいて生活する民族の姿。貧しくとも崇高な精神に裏打ちされ純粋な民族の姿は、まだいたるところで存在し、今急激に押し寄せている近代化の波によってもそう簡単には塗り替えることは出来ないのかもしれない。しかし、聖都ラサの様相は確実に近代化によって変遷を始めていた。 人の生命が存在すること自体限界に近いこの厳しい大自然の中にあって、チベット民族の昔から変わらぬ生活文化と、執拗に押し寄せる近代化の波が、なおのこと人間というものの力強さを痛感させる。

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巡礼の人 (一) 

巡礼の人 (二)

巡礼の人 (三)

燭台の灯

聖都 ラサ

ガンデン寺

仏僧

夜明け前 

マニ車
巡礼の食堂にて

巡礼の人 (四)

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