2000 夏山合宿レポート
マジっすか!!明和高校トレッキング部山岳救助に活躍!!!
今年の合宿にはあまり緊張感がない。去年の表銀座縦走のようにガンガン歩かなくてもよいからか。しかし今回はあの剱。
一日目は一時間の歩きで雷鳥沢に幕営。余裕のテン場行動。あえて書くこともないが、ウスキが牛丼に砂糖をいれ過ぎたのは×。しかしこの合宿はウスキの活躍でごはんが良かった。
2日目は立山三山やって剣沢へ。出発は定刻。2時起きの4時Dep.室堂山荘手前で日が昇るもいまいち。一ノ越でのRestがズルズルに延長したので部長注意。雄山への登りはペース上がらずちょい1年バテ気味。雄山神社のせいで500円払わなければ山頂にたてないのにブーブー言いながら、油断してスリ傷作った白石の手当て。
ずっと前後にからんでいる中高年登山グループを引き離すべく、早めのDep. あとは大汝や富士ノ折立で写真を撮りながら進む。真砂の分岐でトップが指示無しでトラバース道を選択したぐらいで平穏無事。
別山の登りを半分近く行った所で事件は起こった。後ろのパーティ−の叫び声で左側を見たら、なんと人が空を飛んでいるではないか。斜面でバウンドしながらまるで物かなにかのように。三回ぐらい飛んだあと、山ひだで見えなくなったので途中で止まったらしい。場所は別山のトラバース道の中央部分。すぐそばにいた親父は呆然と立ち尽くすだけ。うしろで警察に通報しているのを聴くと、どこで事故が起こったのかわかっていないダラシなさ。
口をはさんだら携帯そのまま渡されて位置確認。その後の連絡は番号伝えて私の携帯へ。
腹が立ったのはここから。誰1人として救助に動く者無し。何十人も周囲にいるのに、比較的近くにいるものでさえ、ワイワイ立ち騒ぐだけ。
我々の部活でやるしかありますまい。
予定の行動を続けるのと、救助に向かうのとを役割分担して、保健具を持って行動。とりあえず別山駆け下りて
現場へ行って警察へ状況連絡。その間に顧問原田は機敏に斜面を下りて怪我人のところへ。原田氏によると、頭がパックリ切れていて岩が血塗れだったらしい。呼び掛けているうちに気がついたらしいが応答が不審。軽い記憶喪失になっている様子。大体の手当てが済んだと見る間に動物のように斜面を上がってくる。様子が変なので斜面の途中で止めて落ち着かせる。山岳警備隊に繋がった携帯で応答できるまでに回復するが、昨日今日の記憶は無いに等しい。剣御前小屋から人が出るのと、下からヘリが飛ぶ時間を言って来たので一安心。
西坂さん(怪我人)が会社や自宅に連絡をとり、警備隊とやりとりし、傷口の手当てをやりなおしている間に小屋から看護婦と県警の連絡担当者が到着して、手当てと警備隊本部との連絡が始まる。傷口は15センチ近く、深さ七ミリ、しかし頭蓋骨には届いていないとの診断。でも手の震えが止まらないのが気にかかる。
ガスがでてきて少々やきもきしたが、ヘリは予定時刻の11時20分を少し過ぎて飛来。やっぱり富山県警の「つるぎ」であった。吹き流し(実は私のザックカバー)を見ながらのアプローチは一度やり直したもののお見事。最初にホバリングで隊員を降ろし、けが人の吊り上げ準備ができたらすぐに再接近し、ウインチで収容。再度飛来して隊員を収容して飛び去るという見ていても隙のない行動に感嘆。話には聞いていたけど本当にやるもんです。
しかしヘリは「痛い」。ローターの巻き起こす風が普通ではない。小石が飛んできて体中に当たるので目を開けて救助活動を見られなかったのはもちろん、登山道に置いてあった私のザックまでが飛んでいく始末。かぶりつきは砂かぶり。連絡開始から救助終了まで約1時間半。別山との合流点まで行ってやっと一息。救助隊の人達と話をしつつ、又水を全部使い切ってしまったのでペットボトルをもらって水分補給したりするうちにパーティー全員合流。彼等の方も、行程は全部こなしたものの、加藤が鼻血(熱中症らしい)、鈴木が足をつったりと大変だったらしい。ついでに救助のどさくさで私馬場も腰を痛めた(古傷)。別になんにもしてないんだけど。
とりあえず、我々のパーティ−で人助けができたのが嬉しい。実際に表立って行動したのは二人(主に原田氏)であるが、生徒をまとめていてくれた顧問梅林と自分達の分を守って安全に行動した部長岡本以下の現役達。みんながちゃんと行動して安全に再集合できたからこそ救助活動に意味があると思うのですよ。本当に全員で人1人の命を助けたんだという確信をもってほしい。
とりあえず第一号として前半のクライマックスをお伝えします。
事故を救助して、劔沢のテン場についた面々は、テントを張るとすぐに、テストストーンで岩の練習開始。めちゃくちゃ真剣。顧問Bは腰痛のため参加せず、明日の劔が危ぶまれる。夕刻から強風、好天は期待薄。
三日目、ガスと強風であったが、ぎりぎりなんとかなりそうだったのでアタック。というほどのものではありませんが、、、。安全のために、前劔からは顧問がトップ。ガスが出ると岩は濡れてルートも読みづらいけど、高度感が無くなるからかえって良かった気がする。ビビる近田、そのうしろ全然平気な白石、この後ろは視界に入らず不明。中間で引っ張る顧問梅林、その前後にあらあら的動きの一年男子二名。さすがの二年男子。最後尾の抑え顧問原田という概況。濡れた岩キライ。
岩での注意。前の人の動きやホールドの位置を良く見ませう。なんでパーティ−のメンバー順があるのか考えてね。よく見てなければ、自動的にお前がトップだ!!わからないクセに、、、。
とにかく必死の一日。カニのたて這いやらよこ這いやら、矢でも鉄砲でも持ってきやがれって感じ。平蔵小屋で気が抜ける。前劔に到着して「やった、、、。」顧問Bこのあと腰痛でダウン。ザックのウェストベルトぎちぎちに締めてコルセットにしてやっとこさ動いていたのが、岩だとガンガンいけるのが、だらだら道は×。30分のみちのりが1時間になって原田さんに付き合ってもらってしまいました。
剣山荘は態度最悪!飲食してしばらく休んだのだが、食ったら出ていけ的言動にブチッッッ。
テン場に帰ると古テンが風で破損、風を避けて移動。合宿後新規購入。風が無い夕食で劔成功の喜びにひたる部員達。和やかな食事。
四日目、行動予定を変更。動けない人間がいるので、大日小屋泊まりをボツ。荷物を全員に振り分けて(救助の救助。みんなありがとう。)再度雷鳥沢にテン張りで、顧問Bは劔御前小屋から直行。部員達は、新室堂乗越にザックを置いて奥大日ピストン。下から良く見えました。三度ほど携帯でやりとり。先にテン場確保にいったら、梅林さん所属の山岳会がいた。
行程が短かったので余裕のひるパーティ−。近所に滋賀の高校生パーティ−がいたので、そいつらについて色々感想を述べあう。顧問Uが次の日はどこへいくのか尋ねたら、「あっち」と答えたらしい。で、うちはどんなもんかと、いつも行程を把握していない小野をテスト。一応今回は合格。ちょいむこうよりマシ。マジっすか〜。ついでに「開き直り」市岡にも聞いてみたら、こっちはバッチリ。
いつもおとなしい鈴木とクールな白石のトークバトル。月尾の怪しい電話。二年男子はテントで緊急ミーティング。白熱の大富豪。
最終日は単なる移動。みくりが池で「ズームイン朝」の放送現場のリハーサルに出くわす。生放送してよー。あとはなにごともなく、水汲んで、バス乗って、温泉(ここは良かった)入ってビックリ。バスタオルを持っている加藤。富山で自由行動、食事。電車乗って帰名。なんとここでも緊急ミーティングの二年男子。名古屋についても意識モーロー。
今回の合宿は縦走型ではなかったので結構余裕があった感じ。
トレッキング顧問 馬場 大輔
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