2000/01/24 平成9年卒 外山 敬
「1998年ICUサイクリング部夏ラン in 北海道 小樽〜旭川編」
今回は、坂について書いてみよう。
小樽ユースホステルは、それはもう、すさまじい坂道の上にある。ちょうどスキー場へ向かう道の先端にあって、ユースの玄関からスキー場のリフトまでわずか10メートルぐらいだ。地図上の直線距離は、海からユースまでそれほど離れているわけではないので、勾配が自然ときつくなる。下から見上げれば、まさしく壁。延々と天まで続きそうな絶壁を見上げれば、誰でもため息を付くのでは無かろうか。
山登りでは、無理な直登を作ると道が痛んでしまうから、葛折りにしてあったり、鎖が通してあることが多い。基本的に坂道を歩く山登りでは、その勾配を意識することはあまりないが、平坦な道を走ることが多いサイクリングでは、たとえギアの多いMTBでも坂道にはいるともろに地球の重力を感じてしまう。ただし、大きく異なるのは下りのおもしろさ。僕は、山登りの時は下りが苦手で、長く続くといつも膝に違和感を感じて、ときには痛かった。でも自転車は違う。『いっやっっほーーい』と思わず叫びたくなる急な坂は、ペダルをこがなくても50キロぐらいは出てしまい、風圧が強くて目をしっかり開けてられない。山は『そこに山があるから登る』けれど、自転車は『下りがあると思うから上れる』と思って走っている部員が多いと思う、たぶん。
小樽でもう一つおぼえているのは、市場での食事。知っての通り、小樽は海産物が美味しいことで有名。我がサイクリング部では、小樽駅の近くにある『三角市場』ではなくて、運河沿いを北東に行ったところにある、もっと通っぽい市場に行って、そこの食堂で朝ご飯。これがまたうまい!、うますぎる!。ウニ・イクラ・ホタテがのった小樽丼とイクラ・ウニ丼を頂いたが、新鮮度100%。頼めば、隣接の市場から買ってきたイカを焼いてくれたり、色々調理をしてくれる。プチプチっとつぶれるイクラや、とろっとした甘ーいホタテは今まで食べてきた中で最も美味しいものだった。ウニは今まで食べたことはあっても、積極的に食べたいと思うネタではなかったのだけれど、ここの食堂で改心。新鮮なウニはこんなに美味しいものだったのね。生臭さが消えて、ウニ本来のおいしさを感じることが出来ました。ありがとう、小樽の市場。またくるよ。
さて、サイクリングに戻ろう。今日から2日間は、海外沿いに延々走って、留萌の手前の増毛町と言うところまで走り続ける。海岸沿いの道というのは3種類あって、1つは、海水面と平行に“つるぺたのっぺり”の道路。もう一つは、海岸近くまで迫った山が絶壁となっているけど、積丹半島のように、がんがんトンネルを掘って税金を費やし、どかーんと無理矢理ツルペタに道を通そうとしている道路。3つ目は絶壁にはならないけれど、海岸近くまで山が迫っていて、しょうがなく地形に合わせて小刻みにひたすらアップダウンを繰り返す道路。小樽から増毛までの道は、この3つ目に該当していた。トンネルも多いには多いが、海岸ぎりぎりに道を通しているわけではないので、海岸からちょっと離れて登ったところで、トンネルが造られている。トンネル崩壊事故を見たあとだと、こっちの方がよいかも知れないという気になってくる。
増毛からは、海岸を離れて内陸の旭川を目指す。旭川の直前には、神居古潭という地名の所があるのだが、ここは全日本バドミントンダブルス女子チャンピオン中山智香子・増茂孝枝ペアの故郷である。こんな雪深い所から(もちろん訪れたのは夏だけど)全国へ羽ばたいて行ったと思うと、元バドミントン部だった僕としては、感慨深いものを感じずに入られない。もちろん、これを読んでくれる人には何も関係がないが、幼なじみから全日本チャンピオンになった2人に敬意を表してここに記します。これからも頑張ってほしい。
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