1998年ICUサイクリング部夏ラン in 北海道 Vol.4

2000/01/29 平成9年卒 外山 敬


「1998年ICUサイクリング部夏ラン in 北海道」 旭川〜阿寒湖編

旭川について書くことは、実はあまりないのです。このころ、ちょっと疲れがたまってきて体調を崩したので、旭川ラーメンを食べに行く人達についていかずに、おとなしく近くのコンビニで食事を済ませたりしてました。しかし、次の日になれば元気回復。この日は班のメンバーが3名(男2女1)だったのと、女性がとても早い人だったのと、3人ともさっさと目的地に到着してのんびりするのが好きだったのとで、ガンガンに飛ばして次の目的地、『層雲峡』を目指した。最初は、僕が先頭を引っ張っていたのだが、向かい風が強くて途中でバテて先頭交代。早い人に最期まで引っぱってもらう。

山登りでは、あまり感じないことだが、自転車においては風が非常にペースを左右する。追い風の時はカラカラとペダルを軽く回していれば、知らず知らずの内にスピードが出て、あっという間に到着してしまうが、向かい風の時は本当にたいへんである。こいでもこいでも進む気がしない。

自転車のスピードを左右する自然条件として、坂の勾配と風、ほかに雨や気温などがあるのだが、風が一番いやらしい。登り坂では、登る側もスピードが落ちるのは納得できるのだが、向かい風が吹くときは、本来ならすいすい走れる平地なのに、ゆっくり走らざるを得ないため大変ストレスが溜まる。特にグループの先頭に立つと悲惨だ。『むおーっ』と必死でこいでも進まないし、グループの後ろを走っている人は、前の人が風を防いでくれるのでそれ程つらくない。ただ一人、先頭だけが苦しまなくてはならない。

さて、本来のレポートに戻ろう。今日の到着地『層雲峡』は北海道屈指の観光地だが、昔はもっと寂しいところで、周囲の奇観と相まって、とても趣のあるところだったらしい。最近は開発されて、少し騒々しいところだ。人が少ないところが好きな僕は、あまり落ち着いて景色を見られなかった。

『層雲峡』からは、大雪山系へ通じるロープウェーが伸びている。ここで連泊なので、休息日を利用して、みんなでちょっと登ってみた。しかし、山登りから1年も離れているので、歩き方をほとんど忘れてしまっている。ふらふらバランスを崩しながら登っていくと、黒岳山頂に到着。牛乳の中のような濃い霧が周りを覆っているが、ときどき雲が切れては遠く延びる旭岳への道が見えた。ああ、懐かしい山の雰囲気を感じる・・・。うーん、いいねえ・・・。忘れかけていたあの興奮がよみがえる・・・。しかしちゃんとした装備ではないのでさっさと下山。いつかまた登山を再開したいもんだなあ。

層雲峡と大雪山を結ぶリフト

休息日を1日取った次の日は、今回のランの最高点『三国峠』を通って糠平湖まで。糠平キャンプ場では、チェルノブイリで被害にあった子供たちを支援するグループが、大きな気球を上げていた。でも、この辺はあまり記憶にない。

次の日は、足寄を経てマリモで有名な阿寒湖まで。しかし、出発するときには、この日が今回のランで最も苦しい一日になるとは思ってもみなかった・・・。前半は、特につらいこともなく淡々と走っていたのだが、足寄でお昼ご飯を食べている頃から、少しずつ天気が悪くなってきて、最後の50km に及ぶだらだらとした坂を上る頃には、どんどん空が暗くなってきて、雨が降り始めてきた。今日は、距離が長い上に、気温が低い。雨が降ってきたせいで体は冷え、手はガチガチ。つらくてつらくて思わず『もう帰りたいよー』と、登山の時と同じ様なことを言っていた。

足寄からマリモで有名な阿寒湖に至る道

そして、すっかり陽が落ちて暗くなってから、今日のキャンプ場に到着。こんなに寒くてつらいときにキャンプはつらい。ユースホステルの暖かいお布団が恋しい。さすがに今日は夕食を作ってなんかいられないので、温泉に浸かったあと、温泉街のラーメン屋で食事。非常に美味しくて、体が温まる。明日の気温と雨が上がることを願って、サーマレストの上に敷いたシュラフにもぐる・・・。



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